東方的専制君主U

ローマトータルウォーTotal Realism Mod パルティア王国プレイリポート

本リプレイ(?)はTotal Realism Mod Ver6.3でお届けしております。



東方キャラが支配する専制国家というコンセプト…
レミリアお嬢様はバクトリアを保護国化しましたが…
この先一体どうなることやら・・・・・
(注:プレイ自体は本物ですが、基本はネタです。そのつもりでよろしくお願いします。)


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紀元前275年
パルティア王宮にて


紅い悪魔 レミリア・スカーレット
「咲夜、遅かったわね…。」


紅魔館のメイド 十六夜 咲夜
「申し訳ありません、お嬢様。」


「まったく…咲夜が留守にしていたせいで、
おいしくもない紅茶を何杯飲まされた事か……。」


知識と日陰の少女 パチュリー・ノーレッジ
「……。
おかげでちょっと大変だったわ…。」


えーと、誰だっけ?
「主に、おじょうさまのご機嫌がですか?」


「そうだけど……………。
確かあなたは……。」


「……紅美鈴(くれないみすず)…
だったかしら?」


「名前で呼んでくださ〜い!」


「中国ですわ。
お嬢様…。」


「ああ、そうだった…。」


あ、そうそう 中国
(人生って、あきらめが肝心なんですね…)


「レミィ、とりあえずバクトリアは保護国に成り下がったし、
基盤もそれなりに整ったわ…。
…こちらとしては、これからどう動くのかしらね?」


「そうね…
なんでも北には、未開の野蛮人達が住まうそうよ…。
当然、哀れな蛮族達は私を畏れてはいないわ…。」


「では、早速…。」


「…咲夜。」


「はい、お嬢様。」


「ティータイムには帰ってくるように。
これ以上、下々の者が煎れる、まずい紅茶には堪えられないわ。」


「わたしも、同感ね…。」


「畏まりました。
時間を止めてでも、ティータイムには馳せ参じますわ。
もちろん、毎日、定期的に…。」


「それならいいわ……。
じゃあ、お買い物は任せたわよ。」


「はい。
では、ちょっとそこまで買い出しに行って参りますわ。」


「えっと、わたしは…?」


「あら?
お買い物には荷物持ちが必要ですわ。

もちろん、私以外の…。」


紀元前271年

サルマティア族反乱勢力
ロクス・ヘルラエ他陥落


「補給線が整ってる現在…。
この程度では相手にもなりませんわ……。
でも、今日のお嬢様のティータイムに間に合わせる為に、ここは速攻ね…。」


「スパイで開門ですか…。」


「そうよ。
いちいち攻城兵器を現地で作っていては、
時間と労力の無駄。
それに現地で材木を切り倒さなくていいのだから、
これなら紅魔館でも、国際標準化機構発布の14001を取得できるわ。」


「え?
じゃあ、ゴミの分別とかしなきゃダメですか?」


「あら、当たり前じゃない…。
たとえば、燃えるゴミと、燃えないゴミ。
使えない人材と、過去に使えた人材……。
あなたは、キチンとゴミの分別してるの?
それとも、実は分別される側になりたいのかしら?」


「歩兵隊!
いつでも、次の作戦地域に移動できます!!」


「分別(ふんべつ)の出来る人材がいると、本当に助かりますわね…。」







紀元前270年


「レミィ、咲夜がお買い物先でいい物を見つけたみたいよ…。」


「なにかしら?
掘り出し物なの?」


「わりと…ね。」




パルティア、サルマティアと同盟締結




「悪くない品ね……。
そしてこれで、サルマティアとはご近所様ね…。

でも、すこし可哀想ね。」


「そうかしら?」


「そう。
だって、貴族の館と、みすぼらしい平民の家が、ご近所になったのよ?
これじゃあ、御隣様も気が引けるでしょうよ。」


「それなら、貴族の礼儀でも教えてあげたらどうかしら?
折角のお隣さんですもの…。
きっと、泣き喚きながら、喜んでくれるわよ……。」


「じきにね…………。
たっぷりと……。

でも、それは今じゃない……
運命の先……でね。」








紀元前268年 夏
パルティア王宮にて


「お嬢様、紅茶をお持ち致しました。」


「ありがとう、咲夜……。
ところで、今日のお買い物は全部終わったのかしら?」


「あと、一品足りませんわ。
そこで、お嬢様に耳よりな話が御座いますわ。」


「聴こうじゃない。」


「象という生き物が、最寄りのお店に並んでおりますわ。
如何ですか?
たまにはウインドウショッピングなど?」


「悪くないわね…。
パチェ、あなたもたまにはどう?」


「うーん…。
折角だけど遠慮しておくわ。
レミィだけでも、行ってみたらどうかしら?」


「また、掘り出し物の本でも見つけたの?
まぁ、パチェらしいといえば、らしいけどね…。

なんの本なの、それ?」


「ウガリット神話とメソポタミア神話の本…
これに出てくる妖怪達が、いつ幻想郷に来てもいいように、
ちょっと、対策を研究中なのよ…。
鬼の件もあったことだし……。」


「パチェは相変わらず、心配性ね……。」


「転ばぬ先にアレが必要……。
でしょ?」


「そうね、その通りだわ………。
咲夜。」


「はい、お嬢様、すでに日傘はご用意致してあります。
UV120%カットですわ。」










紀元前268年 夏
反乱勢力の
マッサゲテス駐屯地包囲戦



反乱軍側戦力


「さて、私が物見遊山にきたからには、楽しませてくれないとね……。」


「ご安心下さい、お嬢様には特等席をご用意してありますわ。」


「咲夜さ〜ん、ご命令通り敵が撃って出てくるまで、いい子にしてました……
って!
レミリアお嬢様!!!」


「あら………
……………。」


「中国ですわ、お嬢様。
名前くらい言えるようになりましょうよ…。」


「ああ、そうだったわね。
うっかりしてたわ…。」


「咲夜さーん……。
中国は名前じゃないですよぅ〜。


「あら、違ったの?
じゃああなたは、今日から蒋介石か、ホー・チンミン……。
どっちがいいかしら?」


「やっぱり、中国でいいです〜。」




「あら、低俗な野蛮人どもは、自分たちの地の利を捨てて撃って出てくるのね…。」


「もはや、相手には食料がないのですよ。
お嬢様。」


「パンが無ければ
血を飲めばいいじゃないの……。」


「あははははは……。」




「人間の歩兵なんて、脆いものね。
あれしきの弾幕で逃げるなんて…。

あら?騎兵が右からやってくるわね…。」


「即座に迎撃いたしますわ。
あ、お嬢様あれを…。」


インド象さんの攻撃


「まぁ、相当大きいわね…。
咲夜、あれに下々の者達で対応できるの?」


「ご安心をお嬢様。
すでに手品のタネは仕込んであります。」


「ペルタスタイ!(散兵隊)
前へ!」




「へぇ、やるじゃない。
投げ槍で討ち取れるのね。

今度私もやってみようかしら?」


「グングニルでは、いささか大きすぎませんか?」


「でも、狩りは上流階級のたしなみよ。」




「あら。
あの右の円陣はなにかしら?」


スキタイホースアーチャーのみなさん


「カンタブリア円陣ですわ、お嬢様。
未開の野蛮人の特技の一つでして、あのように円を描きつつ、
次々と弾幕を撃ってくるのです…。」


「でも、あの形では運命は、変えられないねぇ…。」


「仰る通り!
弾幕用意!
ファイヤパワーで一気に押し切りますわ!」




マッサゲテス駐屯地 陥落


「楽勝ね。」


「ええ、そうですとも。
あまり、ナイフの替えを持ってきてはいませんでしたけれども、
これでしたら、やはり不要でしたわ。」


「町の制圧、完了いたしました〜。」


「あら、ご苦労さま。
これであなたも、
晴れて『荷物持ち』から、『中国』へと格上げよ。」


「昇進……
なんですよね、一応……。
え〜と、有給とかはもらえるんでしょうか……。」


「そんなものないわ。」


「紅魔館では常識ですわ。」


「え、だってそんな……。
普通……。」


「あなたは何を言っているの中国?
ほら、紅魔館の求人広告にも書いてあったでしょ?」


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制服貸与、3食つき。
昼寝、休日、有給なし。
血の気の多い方尚可。

※ お問い合わせ 紅魔館メイド長・十六夜咲夜まで


参考文献 東方文花帖 
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「マジですか〜!!!」


「マジも本気、大マジですわ。
よかったですわね、中国。」


「咲夜、それを言うなら、
マージ マジ マジ マジーロ じゃなかったかしら?」


「お嬢様……。
それはどこかの魔法戦隊だと思われますわ……。」





紀元前266年

「今戻ったわ。」


「お帰りなさい、レミィ。
留守の間に、アンティゴノス朝マケドニアと、プトレマイオス朝エジプトとの同盟を結んでおいたわ…。」


「さすがは、パチェ。
セレウコス朝シリアを潰す気マンマンね。」


パルティアは
アンティゴノス朝マケドニア
プトレマイオスy朝エジプト
と同盟を締結

プトレマイオス朝エジプトと敵対するセレウコス朝シリアと
パルティアとの間に緊張が走った……

「お嬢様、バクトリアに不穏な動きがありますわ…。
どうもセレウコス朝シリアとの会談を設けている様子……。
気になります……。」


「へぇ……。
自ら独立を捨てた二等国家が…ねぇ……。」


「反逆の意志あり?」


「まだ、確実なことは………。」






紀元前263年

「パチュリー様!
バクトリアの軍隊が国境付近で増強を始めています…。
しかも、ほんの僅かではありますが、我が領土を侵犯した模様……。
いかが致しましょう?」


「思ったより早い……。
レミィは、あいつらに文句を言う必要があると思う?」


「はん!
そんなの必要ないわ、なめられたようにも思えるけど、
これしきでギャーギャー喚いたところで、
こちらの品位が落ちるだけ。」


「では、事務レベルでの抗議に留めておくわ……。
どのみち、これで前科一犯ね…。」








紀元前262年 夏


「咲夜、準備はいいかしら?」


「無論ですわ、お嬢様。」


「表向きは、バクトリアの東方のインド諸国(反乱勢力)の討伐よ…。
その為には、バクトリア領土内を私たちの軍は横切る必要がある………。
当然……。」


「従うことを学べなかった、哀れで愚かなバクトリアが襲ってきたら潰す!
しかし、田舎の王族が、自国の愚民の統御に成功し、私に従順ならそれでよし…。」


「そう……。
すべては相手次第……。」


「何でも、バクトリア国内では、保護国化を巡って世論が真っ二つの様子……。
火遊びは、この際少々危険ではありませんか?」


「咲夜、運命は彼らに選択をせまっているの……。
まぁ…私には見えているけどね……。」


「………わかりましたわ。」


「それに…何故私が、今回あなたに私の身辺警護を命じたか…。
直にわかるわ……。」





紀元前262年 冬

バクトリア領内を移動中の
パルティア軍テント内にて


「お嬢様、紅茶をお持ちしました。
ちゃんと冷ましてありますよ。」


「さて………。
そろそろかしら?」


「?
何がですか?
……………」


「!!!!
そこ!!!!!」



咲夜がナイフを投げた先のカーテンからは、
ナイフが刺さった刺客が倒れてきた…。

「……少し反応が遅かったわよ、咲夜…。
それでは、紅白の巫女以下の勘よ……。」


「申し訳ありません…。
しかし……。」


「気にしなくていいわ…。
警備を緩くするように命じておいたのは、私……。
レミィも承知済みよ……。」


「パチュリー様……いつの間に…。
まったく、お二人ともお人が悪いですわ……。
って、お嬢様は吸血鬼で、パチュリー様は魔女ですけど……。」


「なら、問題ないじゃない。

そして、彼らは自らの運命を決したのよ……。」


「そう……
自らの死刑執行書にサインと、捺印までしてね……。」















「弁明を聞いてあげるわ。
寛大でしょう?

ねぇ、咲夜?」


「お嬢様は寛大ですわ、
だって、弁明がおもしろければお許しになると、先ほど宣言なされておりましたもの…。」


クトリア外交官 代理 愛理
「あの……………ですから、その文章にあるように、他国の策略であり、
我が国は盟主の誤解を解く準備がある、と……。」


「暗殺者はあなた達の国の短剣を所持……
しかも短剣に塗ってある毒は、やはりあなた達の国特有の毒……。」


「まだ言いたいことがあるのかしら?」


「……………。」


「それに、蛮族対策とは思えない程の軍事力の増強…
我が国への領地侵犯……
セレウコス朝シリアとの秘密会談……
これって、条約違反ではなくて?」


「…………………………。
で、でしたら、その件に関してましてはこちらで調査を致しますので…
この場での即答は……。」


「フーン、あなたはバクトリア王の全権代理人ではないの?
こちらも、なめられたものね……。

パチェ、言ってあげてよ。」


「そうね……
では、バクトリア王に伝えなさい……。
首都以外の都市をこちらにすべて引き渡しなさい…と。」


「それでチャラにしてあげるわ。
あー、寛大よねぇ……。」


「し、しかしそれでは我が国は死んだも同然です……。
今一度再考を……」


「咲夜、今の話おもしろかったかしら?」


「ええ、感動しましたわ。
人生が360度変わるくらいに。」


「だ、そうよ……。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「行きなさい…。
そして伝えなさい。
それがあなたに出来る唯一の選択…。」













「………………………。
去ったわね…。」


「そうね…。
戻ってくると思う?」


「それはないわ…。
でも、この場合は窮鼠猫をかむ、よ……。」


「なら、強い猫が必要ね……。」


「適任者ならほら、そこに…。」


「あら?
私はてっきり悪魔の犬だと思っていたのですけど…。」


「それでいいんじゃないの咲夜?
このさい、鼠を引っ掻くんじゃなくて、噛み砕いてあげれば。」


「では、ちょっとばかり小骨の多そうな鼠を噛み砕いて参りますわ。」

紀元前262年 冬
パルティア、バクトリアに宣戦布告



「咲夜、せいぜい『格』の違いを見せつけてやりなさい。」


「ご安心を、お嬢様。
犬類と齧歯類では戦う前から『格』が違いますわ。


紀元前262年
アレクサンドリア包囲中に、バクトリア軍と交戦





「咲夜さん!
敵がきました

数、ほぼこちらと同数!」


「早速『格』の違いを見せるようですわね…。」


「お手並み拝見…。」



引っかき回される敵ファランクス


「まずは、鮮やか、かつ華麗な弾幕で敵を分散させますわ。
鼠は集団化すると手に負えませんから、初期の防除が大切ですわ。」




「続いて、小分けにして、それらをいただきましょう。」




「ここいらの、鼠は少々小骨が多いのが、たまににキズなんです…
注意していただかないと いけませんわ。」




アレクサンドリア陥落

それと…

「さすがね…。」


「このぐらい当たり前よ。
誰の従者だと思ってるわけ?
さて、あとは咲夜にまかせて、私達は一端戻るとしましょう。」


「ところでレミィ、エジプト近郊の都市が帰順を申し出てきたわ。
私たちの傘下に入りたいそうよ…。」


「それは長上……。
いいわ、引き受けてあげる。」


「わかったわ、細かいことはやっておいてあげる…。
それにしても、都市が一つタダで手に入るなんて…
大した人望ね…。」


「人徳のなせる業かしら?」


「そうかも…。
だって、あなたに見入られて畏怖しない人間は一部地域と一部人間を除いていないもの…。
まして、現在連戦連勝…。
強い軍隊は帝国の礎って…昔からの言い伝えよ。」


「でも、暴力だけが人間を支配する術ではないわ…。
人を支配するには、相手のハートをがっちり掴まなきゃね…。」


「あら、レミィ?
それって、巷で萌えサービスとか言ってる類の代物……?」


「うーん。
ちょっと違うかな?
それでは、ネッチョリと掴んでしまう……。」


「じゃあ、人間のハートをしっかり掴んで離さないモノってなんなのかしら?」


「それはねパチェ、『恐怖』よ…。」


レミィらしいわ…。


フフッ…… 一部地域の一部人間を除いては、これが一番効くのよ……。
ただ、咲夜相手には不要なのよね…。



紀元前258年

バクトリア王国滅亡



「お嬢様、綺麗さっぱりネズミの巣を片づけて参りました。」


「そう……。

咲夜、鼠には我々に刃向かったことを反省させてあげたのかしら?」


「無論ですわ。
いまごろ、白玉楼が賑やかになっていることでしょう…。」


「あら?
それでは、上流の死人だけが反省会をしているわけ?」


「その点もご安心を。
鼠の巣で生きていた者達は、お嬢様の食卓に上る者達以外は、
反省会に強制参加してもらっています。」


「それはよかったわ。
なんといっても、白玉楼のお花見はみんなでやった方が楽しいでしょうからねぇ…。
彼らには、反省会の後にお花見へ呼ぶとしましょう。」









同年パルティア王宮にて



「咲夜さ〜ん。
助けてくださーい!」


「どうかしたの?
服が焦げてるけど……。」


「レミリアお嬢様が…今、大変機嫌を損ねてまして……。
わたし、危うく消し炭にされるところでしたよ〜。」


「あなた、案外命知らずね……。
そんな状況…普通だったら、死んでるんじゃないかしら?」


「ほらわたしって、健康だけが取り柄ですから!!」


「少し違う気がするけど……まぁ、いいわ。
私が行って来るわね…。










パルティア首都近郊






「お嬢様、失礼致します。」


「あら咲夜……。
私の部屋に呼んだ憶えはないし、それにまだ、ティータイムには早いわよ……。」


「お部屋のカーテンを替えようかと思ったて来たのですが…。
お邪魔でしたか?」


……まぁ、いいわ…
…………咲夜は…アレ………
どう思う?


「そうですわね…
セレウコス朝は、死刑執行書の代筆者を多くお抱えのようですわ…。」


「あいつら…ナメた真似をしてくれるわ……。
馬鹿にしているのかしら?」


「きっと、好奇心なのですよお嬢様。
ライオンの尻尾を踏んでみたいという…。」


「…………………。
でも咲夜、あいつらはお客様よ……。
それも大切な…ね……。

ねぇ、咲夜?
紅魔館のメイド長として、賓客への対応はどうするの?」


「それは決まってますわ。
まずは、私が玄関までお出迎えにあがらなくてはなりません……。」


「その後はどうするの?」


「当然、コートをお預かりいたしますわ…。
そして、椅子に座って頂くようお勧めして、お客様には座って待って頂きます。
そして、お嬢様が応接間に来られるまでに、お茶の準備を整えますわ…。」


「でも私はそいつが嫌いだから、さっさと話を切り上げるわ……。
そして早々に退場してもらいたいのよ…。」


「使用人からは、主を差し置いてお帰りを促すなど、出来ません…。
ですが、お客様の紅茶はぬるくしておきますわ……。」


「では、咲夜はこういった客人がようやく帰るとき、どう対応するの?」


「お嬢様の大切なお客様がお帰りの時は、お客様に戸を閉めさせずに、
わたくしが戸のところに立ち、戸を開けたまま、お客様が見えなくなるまでお見送りを致します…。

もちろん、その後に、戸を、お客様によーく聞こえるように
バシャン!!!
と、思いっきり閉めてやりますわ。 」


「そうね…………。
それがいいわ!
早速パチェと相談しなきゃね……。」








「パチェ、私のかわいいブリキのおもちゃ達は元気かしら?」


「もちろん、いつでも出れるわよ……。」


「では、早速……。」


「ダメよレミィ……。
どうせ、連中はすぐに馬脚を表すわ……。
すこし、待った方が得策よ……。」


「このまま、舐められたままでいろ、と?」


「咲夜と何を話していたかは、察しがつくわ…。
でも、大事なのは、既成事実……
相手が攻めてきたのなら、自衛の戦いになるわ……
でも、こちらから攻めたなら、こっちが侵略者……
レミィはいいの?
それで…。」


「…………………………。

わかったわ…。
こちらの品格を疑われる行為を無理にする必要もないしね…。」


「そう……。
なら、これで奴らは、客人から、ただの盗人へと変わる……。」


「流石はパチェ、奴らに相応しい名ね…。
なら、奴らに相応しい終わりも提供してあげなきゃ…。」


「最後にはどうか…
幸せな結末を……

ねぇ?
レミィ…………。」


「あら?
彼らには死んだ後、無限の時間が与えられるのよ?
これを幸せと言わずに、なんて言うのよ?」





紀元前257年 冬
セレウコス朝シリア パルティアの首都を突然包囲




セレウコス長シリア パルティアに対し宣戦布告


「連中はなんて言ってきたのかしら?」


「なんでも、盟友であったバクトリア王国の復興を旗印に掲げてるみたいね……。」


パルティアから、バクトリアを再度独立させる為の戦いですか?


「裏切り者の二等国家を復興させようなんて…
泣かせる話ね……。

でも、悲劇のヒロインはお呼びじゃないのさ…。」


「時代が、正しい方に傾いたためしはない……。
時代は必要な方に傾くもの……。

少なくとも、それは彼らではないわ……」






紀元前257年
長きに渡って存続してきたバクトリア王国に終焉が訪れた。
そして、オリエントでは、セレウコス朝シリアとプトレマイオス朝エジプトの2大国家の戦争は、
パルティア王国の出現により形相を変えようとしていた

時代はまだ止まらない…



紅魔の軌跡








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